クロスロード

「……」

「……」

「……」

「……え、と、どうしたの?」



なんか、今日はやけに沈黙が多い。

普段からお互いそんなに喋るタイプじゃないし沈黙も結構あるけど。

でも翠君が切り出したのに、そこでストップすることはなかったから疑惑が浮かび上がった。


言いたくないことなのかな。もしかして私、何か変、とか?


バッと視線を下げて制服や身の回りをチェック。一応、怪しいところは見当たらない。

それとも寝てる時に何かしたかな……

どんどん募る不安が身体中を取り巻く。気分はどん底まで下がる。

そんな私を余所に彼はこう言った。



「ちょっと来て」



え?と顔を上げればすでに翠君はベランダへと向かっていた。

いや、ここはスイートルームだからバルコニーと言ったほうが適切かもしれない。


レースのカーテンを開け、ガチャッと音を立てて鍵を開ければ。

朝の少し冷えた空気が部屋中に流れ込んできて、どこか新鮮な気分になってくる。


翠君の後に続いて私もバルコニーへと足を運んだ。

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