クロスロード
「いや、ある。今俺が作った」
「……そう。おやすみ」
「じゃなくて話に入れよ!なあ、何で俺ばっかこんな目に逢うわけ!?」
悲鳴に近い叫びを上げているあーちゃんに冷たい視線を向ける僕達。
どう考えても自業自得なのに……
みっちゃんも何で付き合ってるだろう。
「ああ……まだ喧嘩してるわけ」
「喧嘩っていうか避けられてる」
うわ、完全な一方通行。
僕だったらほとぼりが冷めるまで距離を保つけどな。
……押したりしてるだけだから、引くって言葉をあーちゃんはきっと知らないんだろう。
「こないだ暗室のカーテン引きちぎってたよ」
「は!?」
ひーちゃんの言葉に反応したのはあーちゃんではなく僕。
引きちぎるって……え!?みっちゃんそんなことまでしてんの!?
ここ部費ないから困るんですけど。
「……あのさあ、まわりに迷惑かかるから仲直りしてよ」
これじゃあ部活が壊れる。
あーちゃんを思ってではなく、部活のためにきつく忠告をした。