君に届きますように【詩集】

・ドナドナ


ドナドナ ドナドナ
子牛を乗せて

ドナドナ ドナドナ
荷馬車が揺れる


荷馬車に揺られ
連れていってほしい
売られてしまえば
楽に思った

この歌が
うらやましいと
涙も出なかった


縛られてばかりの過去

彼が好きだから
目で追ってしまう

自分ばかり気にして
周りを気にもしてない
だから
愛想尽かされ

みんな
いなくなった

だから
消えたくて
仕方なかった


だけど

今なら

この歌に涙が出る


楽しい牧場に
帰りたくても
帰れない


何て切ないのか

私は
この歌を愛そうと思った
みんなが愛せば
子牛を忘れない

だから
私はこの歌を
歩きながら歌った

みんなで歌った

「ドナドナ」

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