Rainbow Love Story [短編集]
そう。
香夜さんは、女の人皆に優しくて…女遊びが激しい。
優しいことは悪くない。
だから、始めは知らないふりをしてた。
でも最近は、そんな光景が見て居られなくて、今みたいに止めに入る。
こんな状況で、他の人とのお見合いの話なんて切り出せないよね。
とか言って、反応が怖くて言い出せないだけなんだけど。
「香夜さん…」
「何?」
でも、前から不思議に思ってた。
私ももう18歳だし、子供ってわけじゃない。
仮にも、婚約者のはず。
なのに…
「どうして私には…キスしてくれないんですか…?」
気付けば、自然に口にしてた。
そう。私は婚約者のはずなのに。
キスどころか、触れられたことすらない。
小さかった頃は何も考えていなかったけど。
さすがに今はつらい。
「は…?急にどうした?ふざけてるんだろう?」
真剣に聞いたのに
あはは、と流される。