ハツコイ☆血肉色
☆3 ユリカ
ワインがあまりにもおいしくて、ひと息で飲み干してしまった。


わたしが家で飲むコンビニワインとは比べものにならないし、これなら大ジョッキ二〇杯はいける。


おかわりしたいけれど、自分から要求するのはなんとなく気おくれを感じてしまい、かといって断りなしに自分でつぐのもきまりが悪い。

空になったグラスをこれ見よがしにもてあそんでいると、横からスっと円城寺くんの手が伸びてきて、わたしのグラスを取った。


「まだ飲むよね?」

「うん、このワインすごくおいしいね」


彼はグラスに新しくワインをそそぎ、わたしに差しだした。

受け取るときに、ふたりの指先がほんの少し触れあった。


円城寺くんがわたしを見てる。

わたしが欲しくてたまらないといった感じで。

まるでハネムーンでむかえた初夜に新妻を見つめるような熱いまなざし。


そんな彼の視線を横顔に受けながら、わたしは七年前のことを思い返す。


あのときとは、まるで別人のようだと。


あの、ごみくずを見るような目とは――。
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