~Snow White~『一巻』
いてもたってもいられず
部屋のドアを静かに開けた。

智久が悲しそうな顔で立っていた。



「おかえりなさい。」
小さな声で言うと

優しい笑顔で私の唇に
指をあてた。



そしてリビングに消えて行った。


私は静かにそのあとを追う。


キッチンからのぞくと
ソファーに伯父が座っていた。



「トモ・・・話があるんだ。」


「はい。」


智久の姿はここからは見えなかった。
伯父の背中だけ見えた。



「真冬のことだが・・・」
重い口を開いた。
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