~Snow White~『一巻』
玄関のドアが開いて入ってきたのは
智久だった。


「あれ?出張・・・・」
驚きのあまり声がでなくなった。


「やってんな~」
慌てて隠そうとしていたお菓子の袋が
落下した。


「はい・・・
今日は私の誕生日なんです。」
思い切って口にした。

あの手袋の日からもう半年近く
話していなかったから緊張は
ピークに達した。


「ほい、ケーキ、一緒に食べよう。」


四角い箱に真っ赤なリボン


「え?」


何がなんだかわからなかった。


「それからこれは
プレゼント・・・・」
大きな包みを私に手渡した。


「着ておいで。」
智久は優しい笑顔で笑った。
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