~Snow White~『一巻』
「めちゃ、かわいいっしょ~」
私がリビングに戻ると
スウェット姿になった智久が
ケーキのさらを出してくれた。


「あ、用意ありがとう・・・・
それからこんな素敵なもの・・・
ありがとう・・・
それから・・・
それから・・・
一生忘れない・・・・」


涙があふれた。


「泣き虫だな~雪湖は・・・・」

そう言って
智久に抱きしめられた。

ドキドキドキ・・・・・


「ごめんな、手袋大事にしてくれてたんだ。
焼いちゃってごめん。
その代わりにワンピースに
したんだ。」


「うれしいです。
あの日のおにいさんは智久さん?」


智久は私から離れて
ケーキにろうそくをたてた。

「雪湖、わかんなかったんだ。」
そう言って、手招きをした。
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