さくらんぼ

しあわな暖かい時間はあっという間にすぎ…

気付けばいつ着いたのか、部屋の前に立っていた。

隣には、かなりそわそわした様子の伶矢。


「そんなに楽しみなのっ?」

「うん!かなり!」

“俺、好きな人いるんだ☆”

伶矢の笑顔に、そんなことを言われた気がした。
何処の誰だか知らないけどおねがい…

伶矢をとらないで…



「晴香っ!!この木、紅葉だっ☆」

「ほっほんとに?!」

「ほんとに☆」

「伶矢っ!一緒に立札めくろっ」


『恋の紅葉ですようにっ!!』

伶矢と一緒にに立札をめくった。


・・・ー


「こっこれって!恋の…紅葉?」

「そうだよ☆書いてあるし!」


やっと見つけた!
1本目の恋の紅葉☆


こんなに近くにいたんだね?

気付かなくてごめんなさい。


近すぎると気付かないことがある……

そう実感した。


「葉っぱもらいますっ☆」


伶矢、ちゃっかり葉っぱ貰っちゃってるよ~笑

でもっ!私も貰いま~す☆


「紅葉さんすみませんっ!」

葉っぱに手をかけたその時!!

ふと頭に、1枚の紅葉の葉が浮かんだ。

なんで私気付かなかったんだろ?!


「伶矢っ!そういえば!!さっき私が拾った葉って…恋の紅葉じゃない?」

「あっ!そうだ…」

「だよね☆最初に気付けばよかったね~笑」

「お前が拾ったんだから、最初に気付けよっ笑」

私たちがふざけた言い争いをしている間に、
夕食の準備が整えられていった。


…夕食後

伶矢に隠れて
恋の紅葉に名前を書いた。


田中伶矢
田中晴香


仲良く並べて、思いが届きますようにって…願いを込めて……



伶矢はなんて書いたのか教えてくれない。


私も教えられないんだけどね?


伶矢の相手が

気になって

気になって…


その気持ちをさっぱり流すため!

私は温泉に行くことにしたっ☆
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