オサナナジミ

外に出ると、気持ちいい風がふいていた


気分もさっきより全然いい


ちょっとずつアタシは普通に戻っていった


「さっきより顔色よくなったね」


『そ?よかった』


「何かあったの?」


心配そうにアタシの顔を覗き込んでくる


『あのね、アタシ山崎辰也クンと知り合いなんだ』


「うん。なんとなく雰囲気でわかったよ」


『1年のとき、よく家に来てたの。お兄ちゃんの友達だから』


アタシは全部由梨に話した


しばらくの沈黙の後、由梨がおそるおそる訊いてきた


「未穂は、山崎クンが好き?」


『・・わかんない。好きっていわれれば好きだし、そうじゃないっていわれたらそうじゃないと思う』


「私はそんなに恋愛してないからいいアドバイスはできないけど、好きじゃないのに付き合うのは絶対にダメだよ」


わかってる


いや、わかりたい


アタシは辰也クンのことを恋愛対象としては見ていない


だから付き合うなんていけない


でも恋してた人から告白された


それが真実で


アタシはそれを受け止められなくて


自分でもわからなかった


何がしたいのか


何を望んでいるのか

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