オサナナジミ

どうしてだろう?


辰也の顔が見れない。


自分から会いたいって言ったクセに。


決して恥ずかしいといった理由ではない。


あきらかに気まずいから。


「やっぱ何かあったろ?」


『え?』


辰也と健人を重ねて見てしまう。


そんな自分が嫌だ。


{ギュッ}


いつもと同じ。


優しく抱きしめてくれている。


なのに受け入れられない。


{ドンッ}


アタシは辰也を押してしまった。


『ごめん。勝手で本当ごめん』


アタシは部屋を飛び出した。


全速力で夜の街を抜けていく。


こんな気持ちのまま触れ合うなんてできない。


『はぁ・・はぁ』


さすがに疲れた。


アタシはトボトボ歩いていった。


何をやっているのだろう。


辰也は何も悪くないのに。


アタシ最低だ。
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