恋せよ乙女

そう言ったきり、思わず俯いてしまったあたしを見て、世奈は盛大なため息を漏らす。

だけど刹那、いきなり何かを思いついたかのように、突然目を輝かせた。


「ふふっ。いいこと考えた。」

「……何?」


訝しげに問い掛けるあたしに、世奈は口角を吊り上げる。ますます眉間のシワを深くするあたしに構わず、世奈は続けた。


「デートしようよ、紫音。」

「……は?」

「いやいや。は?じゃなくて。今日って放課早いじゃん。だからあたしと、デートしよう。」

「…意味がわからないんだけど。」


何であたしが世奈とデートなの。
しかもこのタイミングで。それにあたしとデートだなんてそんなのは名ばかりで、普段一緒に遊ぶのと何ら変わりはないじゃないか。
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