【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
皆が帰った頃、キョロキョロしながら更衣室から出てきたアイボン。


どんだけ俺に会いたくねぇの?

いくらなんでも遅過ぎ。


隠れてた俺は、後ろからそっと近付く。


逃げるんなら、逃がさねぇようにするだけだ。




ギュッ


「キャ!?」


小さなアイボンを、後ろから抱きしめる。


「俺」


「え、爽先輩!?は、離してくださいっ」


アイボンぐらいの力で暴れられても、全然意味なんてない。

か弱過ぎて、逆に心配になる…。


「嫌。逃げるじゃん」


アイボンの耳元で、落ち着かせるように優しく声を出す。


「だって…」


やっと大人しくなったのを確認して、俺は口を開く。
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