【長】野球ボール〜ソウソウの夏〜
「一輝はさ、ムラムラとかしねぇの?」


「は?」


「男じゃん?やっぱ困るっしょ」


そんなにフりまくってたら、後で絶対後悔するぞ?


「今は野球があればいい」


「そりゃ俺だって一番は野球だけど、二番は女の子だろ?」


「……とにかく、彼女なんかいらねぇよ」


一瞬何かを考えたように見えた。

でもそれについては触れちゃいけない気がして、それ以上聞かなかった。




「そんじゃ、俺もそろそろ戻るかなー」


「あ、渉さんだ」


軽く俺を無視して、少し先の渉さんを見付けたらしい一輝。


「まじ!?渉さ…ん…!?」


「そういえば最近、彼女ができたとか聞いたなー」


そこには女と楽しそうに歩く渉さんの姿。

し、失恋ってこういうことですよね…。


「……渉さんのバカーン」
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