‡キミ想い‡



そして、文化祭もあと数分で終わりに近付いてきた頃。

私達はまた教室に戻り、みんなで今日の話をしていた。


私は裕とメールをしながらだったから、あまり会話には入っていなかったけど……。

その時、廊下に裕の姿が見えた。

「もしかして…」

メールの内容。
やっぱり少しでも会いたいから……って言ったら、裕が来てくれるって言ったのだ。


「ご、ごめん、私トイレ行ってくるねっ」

みんなにそう一言残し、私は裕の元へと駆け寄った。


「裕…」

「会えてよかった…。着いてきて??」

私は裕の後を追い、連れてこられた場所は……。

2年生が展示している、プラネタリウムの教室だった。

「え、でももうすぐおしまいじゃっ…」

「まぁ大丈夫でしょ??」

なんの躊躇いもなく、裕はその教室に入っていく。

「ま、待って………!!」

私もその中へ入ると、その教室は本当にプラネタリウム。
床にある道も光っていて、凄く綺麗だった。

「今、2人だけだね…」

裕が呟き、私がそちらへ顔を向けた瞬間……。

「っ……!!」

「学校での初キスー」

かあぁ、と顔が赤くなり、裕が教室を出ようとしたので、私は慌てて後を追う。



ほんの数分だったけど……。
裕とまわれて、凄く幸せだった。














こうして、2日目の文化祭は幕を閉じた。


いよいよ明日は、応援団当日……。







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