恋する受験生
俊と出会って1ヶ月が過ぎた頃だった。
テストの点数が良かったごほうびに、外出の許可が出た。
私は、ひとりでゲーセンに向かう。
俊は学校帰りいつも友達とゲーセンで遊んでるって言ってたから。
こっそり行って、驚く顔が見たい。
俊に、また取ってもらえるかな。
かわいいぬいぐるみ。
私は、俊にもらった合格祈願のシャーペンを肌身離さず持ち歩いていた。
専用の毛糸のシャーペン入れをお母さんに作ってもらった。
ドキドキ。
俊との出会いの場所。
俊はどんな顔をする?
“どうしたの?”って目をまん丸くするかな。
私にとって、俊という人は私の全てになっていた。
何をする時も、私は俊のことを考えていた。
中学3年生にして、一生モノの本物の恋をしちゃったんだ。