恋する受験生



俊とそんなやり取りをしている間に、お母さんが学校へ電話をしてくれていた。





次の日、学校へ行ってから知った。




お母さんは、私がどれだけ変わったか、担任に話してくれていた。


私が夜中まで勉強していること、いろんなことを我慢していること、

前よりもずっと前向きになったこと……





頭を下げて謝る担任に言ってやった。




「先生は、受験生は恋なんかするなって言うけど、私がもし恋してなかったら、先生のこと一生許さなかった。恋をしてるから、先生のこと許してあげる!!」




ポカーンとした顔の担任。



「校長に言いつけたりしないから安心して。その代わり、一生あんなこと自分の生徒に言うなよ!ば~か!!」



チョー生意気な私。


でも、担任は優しく笑っていた。






大嫌いだけど、きっと少しだけ仲良くなれる。





これも俊のおかげ。


俊に出会ったから、家族の大切さに気付けた。


だから、お母さんと私は深く理解し合えるようになった。




許せないって思うことも許せちゃうのが不思議。


あんなに憎かった担任なのに…… ね。






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