初恋の味はどんな味?
「ねぇ、黒木君とは話せたの?」



ついて来てた真凜が前の席に座って聞いてきた。



私は頷いた。



「で、どうだった?」



「ダメだった。」



一瞬気まずい沈黙が流れた。



真凜の表情が暗くなる。



「大丈夫。私、平気だよ。もう吹っ切れたから。」



わざと明るく振る舞って言った。



「ほら、真凜、そんな顔しないで。せっかくのかわいい顔が台なしだよ?」



少しおどけて見せると真凜の顔に笑顔が戻った。



「吹っ切れたならいいけど、またなんかあったら相談してね?」



私は真凜の優しさに涙が出そうになった。



「うん。ありがと。」



そういうと真凜は笑いながら頷いた。
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