切恋~First Love~
・・・いつも思ってたこと。
赤茶色の髪、焼けた小麦色の肌、制服着崩しまくりの尾崎君のその容姿は誰がどう見てもいかつい。
実は性格はそこまで怖くない、っていうのもあるのかもしれないけど・・・。
だけど神崎涼と尾崎君が一緒にいると、尾崎君が堪らなくアホに見えて仕方がない。
そう思うのはあたしだけなの?
・・・でもそんなこと、口が裂けても言えないんだけどね。
「神崎、アンタ希望何にしたの?」
さりげなく、佳耶が神崎涼に話しかけた。
そんなことにもドキッとする。
「あ?クラ対」
そして素っ気無い神崎涼の態度に幾分ホッとした自分がいる。
それが堪らなく情けない。
「・・・他は?」
佳耶が不思議そうに聞く。
「全部クラ対、それ以外受け付けねぇ」
・・・似たもの同士?
衝動的に声をかけてしまった。
「・・・あっ、あたしも!全部、借り物競走って書いたっ」
自分の顔を指差しながら、神崎涼に言う。
心臓はいろんな意味でバクバクだった。
佳耶がすぐそこにいるのに、神崎涼に話しかけちゃったこと。
後先考えずに勢いで話しかけちゃって、神崎涼にどんな反応をされるか怖かったこと。
言った直後に、いろんな後悔が押し寄せてきた。