切恋~First Love~


・・・いつも思ってたこと。


赤茶色の髪、焼けた小麦色の肌、制服着崩しまくりの尾崎君のその容姿は誰がどう見てもいかつい。


実は性格はそこまで怖くない、っていうのもあるのかもしれないけど・・・。


だけど神崎涼と尾崎君が一緒にいると、尾崎君が堪らなくアホに見えて仕方がない。


そう思うのはあたしだけなの?


・・・でもそんなこと、口が裂けても言えないんだけどね。


「神崎、アンタ希望何にしたの?」


さりげなく、佳耶が神崎涼に話しかけた。


そんなことにもドキッとする。


「あ?クラ対」


そして素っ気無い神崎涼の態度に幾分ホッとした自分がいる。


それが堪らなく情けない。


「・・・他は?」


佳耶が不思議そうに聞く。


「全部クラ対、それ以外受け付けねぇ」


・・・似たもの同士?


衝動的に声をかけてしまった。


「・・・あっ、あたしも!全部、借り物競走って書いたっ」


自分の顔を指差しながら、神崎涼に言う。


心臓はいろんな意味でバクバクだった。


佳耶がすぐそこにいるのに、神崎涼に話しかけちゃったこと。


後先考えずに勢いで話しかけちゃって、神崎涼にどんな反応をされるか怖かったこと。


言った直後に、いろんな後悔が押し寄せてきた。


< 180 / 337 >

この作品をシェア

pagetop