切恋~First Love~




その日の夜、寝る前。


神崎涼との会話を思い出しては、1人ニヤニヤしていた。


はたから見れば、変人以外の何者でもない。


だけどあたしにとってはどうしようもなく幸せな時間だった。


もう前のような曖昧な気持ちじゃない。


尾崎君に対しても、何も感じない。


神崎涼の言葉の1つ1つに、いちいち耳を傾けてしまって。


神崎涼の行動を、知らず知らずのうちに目で追っていて。


道端で通りすがる、ガラの悪い奴らを見るたびに神崎涼を思い出して。


神崎涼のあたしに対する目が、異常に気になって。


神崎涼を思い出すたびに胸が震える。


前までの感情とは確実に違う。


本当の『好き』になったら佳耶に言おうと思ってたのに。


こんな状況の中で、どんな言葉で伝えればいい?


どんな態度で伝えればいい?


どんな気持ちで・・・伝えればいい?


でも、このまま佳耶や流菜ちゃんに隠しておくの?


・・・それはダメ。


だってそんなこと無理だもん。


じゃあ無理じゃなかったら?


ずっと言わないでいるの?


・・・分からない。


ベッドの中で自問自答にふける。


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