切恋~First Love~
「え、南美どうしたの?」
流菜ちゃんの言葉で佳耶もあたしの異変に気付いた。
「何でもないって」
顔を上げて笑顔を、作る。
こんなあたしに気付いて欲しくない。
こんなあたしを、どうかそっとしておいて。
真っ直ぐな佳耶を、流菜ちゃんを見てると、罪悪感でいっぱいになる。
いつか佳耶があたしに言ったことが思い出される。
――――南美は性格がかわいい。
そんなことない。
今のあたしの心の中を見ても、そう言える?
ついこの前までのあたしとは変わってしまった、あたし。
「俺も思った。こいつ1時間目、死んでたからな」
「え、し、死んでた・・・?」
神崎涼と話す流菜ちゃん。
「そ。何か、顔が死んでた」
「アンタの目がおかしいんでしょ」
神崎涼と話す佳耶。
「いや、ぜってぇ普段とちげぇよ」
あたしの中に土足で入ってくる神崎涼。
「・・・南美、本当にどうしたの?」
「悩み?」
本気であたしのことを心配してくれている、佳耶と流菜ちゃん。