【Flower shop】〜恋するエプロン〜

「え?どれ?」

周りを見渡しながら問う楓に
あれ、と
さっきの小鳥を指した。

「そうか?」

楓は小鳥を見ながら
困ったように笑う。

「雰囲気的にね」

私も楓につられて笑っていた。

その時、
夢で見た"昔の楓"の
笑顔と重なる。
全く変わっていないあの笑顔が。

遠くで八時を
知らせる鐘が鳴った。
それと同時に楓は
「あっ」と声をもらす。
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