いじめっこのいじめ方
ない。


ない。


『夏実?ノート見つかった?』


ノートが、ない…。

「あっ、…も…ちょっと、先行ってていいよ?」

『えー?待ってるよー』


「あ…ううん…先生怖いしっ、本当、先行ってて?」


『そぉ?じゃあ…。』

『先生には一応言っとくよっ!』


「うんー、ありがとー」


よりによって理科のノートが無くなるなんて…。


大丈夫、大丈夫っ!


ベルがなるまであと6分あるしっ!


ちゃんと、持ってきてたもん……なんでないの?


まさか、まだバックの中に………あったぁッ!!


バカだなぁ、一番下にあって丁度取れなかったんだな…。


あぁっ急がなきゃッ!!


ダッシュで教室を出ると、ドンッ!!…誰かとぶつかってしまった。


「いった…あっ、ゴメンねっ?」


二人組のカワイイ女のコだった。


多分、同じクラス。

『ううん、大丈夫っ!えっと、夏実チャン?だよね?』


「う、うん…ゴメンねっ、まだクラスの皆の名前分かんなくて…。」


相手は覚えているのに自分が覚えてないなんて…。


『智里っちぃチャンでいいよ?』


『愛香っあーチャンって呼んでね♪』


じきにわたしは、この二人と過ごす事になっていった。
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