【完】青春PLAYBALL!!
「フ・・・ヘヘ。すごいや」


抱きしめた腕から、柚が笑っている振動が伝わった。


「なんで笑ってるの?」


「尚哉、あのね。あの大きな木・・・榎。もう一つ意味があるんだよ」


「え?何?」


「へへ・・・あのさ」


柚は、ゆるめられた俺の腕から体を離し、俺の手の平に文字を書いた。


「え、ちょっと何?くすぐったいんだけど」


「いいから、ちょっと我慢してよ」


柚がそう言いながら俺の手の平に書いた文字は、





"縁"






「榎は別名、縁の木とも呼ばれてるんだって」


柚は俺の手をぎゅっと握った。



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