ロンリネス
「美桜ちゃんだよね? 俺、桐崎栄一!!よろしくー」
桐崎栄一の両手が私の両手を握って、ぶんぶん上下に振り回す。
とても23歳という〝大人〟には見えない。
それが第一印象。
『よ、宜しくお願いします』
「はいー!あ、敬語じゃなくていいよ。あと、俺のことは栄一さんか栄一か栄ちゃ…」
『じゃぁ栄一さんで』
…ハイテンションな人だ。
だけど悪い人ではなさそうだ。
「…ハハハッ。俺は美桜ちゃんでいい?」
『あ、なんでもいいですよ』
「だから敬語じゃなくていいってー」
『はい…あ、うん…?』