Utopia
「外国って…どこですか。」
「うーん…いっぱいかな。卒業してから三年?ずーっとね。優ちゃん、段ボール開けるの手伝ってくれる?」
「…いいんですか?」
仕事道具なんでしょ、と視線で問えば、さっきと何ら変わらない優しい瞳が返ってくる。
「そのために、優ちゃんに来てもらったんだよ?」
ガムテープをはがして段ボールを開く。
「うわ………。」
「ぐちゃぐちゃで恥ずかしいなー、コレ。」
そこにあったのは色とりどりの絵の具だった。
何色だろう、
英語ですらないそのパッケージは私には全く読めない。
他にも絵筆や画用紙、ペンやクレヨンなど、様々な画材が現れる。
「絵を…描くんですね。」
「んー、惜しいなー。最後、その一番おっきい奴、開けてみな?」
密さんが指した先には、確かに一番大きな段ボールがあった。
柄にもなく緊張する。
また同じようにガムテープをはがせば、そこには…
「密さん、これって…。」
「そだよ、俺が描いたの。」