お前は俺の予約済み!!
微笑みさえ浮かべて、小さく頷く瑠璃を見て、



俺は立ち上がり、



『俺、帰るよ。ごちそう様!美味かったよ』



と、早口で言い終えると、



瑠璃の方を振り返ることなく、部屋を出た。



『ちょっ……待って……』



瑠璃の声が俺を呼び止めた気がしたけど、



とても立ち止まる気分ではなかった。



いつものようにキスをして、



いつものように抱き合いたかったはずなのに。



俺には瑠璃が分からない。



瑠璃もきっと今の俺が分からないんだろうな。
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