Tears〜硝子細工の天使〜
何をどう話したのか…
また、特別楽しかったわけでもない。
久しぶりに味わうドキドキした気持ちに戸惑いながら
それを悟られないようかほは夢中で話をした。
すでにあたりはもう暗くなっていた。
「主人が帰って来ちゃうから…」
(いや別居中だ、ホントは子供が待ってるから)
そして、名残惜しく待ち合わせたファミレスまで戻った。
「今日はありがとう」
「いえ、こちらこそありがとう。気をつけて…」
軽く挨拶を交わし二人は別れた。
異常な胸の高鳴りが冷めやらぬ頃―
早速よしきからメールが届く。
『今日はありがとう。かほさんに会えてよかった。これからもよろしく』
自然とかほの頬は緩み
笑みがこぼれた。
そして柔らかい感情がかほを包んだ。
それから二人は今まで通り
毎日毎日時間の許す限りメールを続けた。