Tears〜硝子細工の天使〜

お互い慣れてくると、本性も見えてくる。


秀人は自分の考え方が全てに正しく

それが一般論だと決めかかり

人の意見に耳を傾けない頑固さがあった。



特によしきのこととなると

二人の関係を嘲笑い

佳奈子が馬鹿な女で、よしきにうまく操られ遊ばれていた。

との考えを曲げなかった。


よしきとかほの二人にしか解らないこと

二人にしか感じないこと

自分が全く遊ばれてるなら

それに気付かない馬鹿じゃないこと…

それをどれだけ話したところで

「かなちはホントに馬鹿なんだから…

すぐ騙されるんだね」


そんな言葉でしか、相手にしなかった。



「僕は男だよ?

男なんて、そんなもんだから。

かなちは良く思いたいかもしれないけど

よしきの考えてたことなんて

僕の方がよくわかるんだから!」




《あんたみたいに女をSEXの道具としてしか見ない人に言われたくない!》

《一体よしきの何を知ってるの?!》


いつも悲しい気持ちになった。


もうこの人とはやっていけない・・・・・



そんな気持ちが、徐々に佳奈子の心に大きな影となり

重くのしかかって行くばかりだった。
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