Tears〜硝子細工の天使〜
よしきの顔がみるみる雲っていった。
「君にそんなこと言われたくない!
自分の幸せは自分で決める。
もちろん子供は欲しいけど、子供が欲しい為に結婚するわけじゃない。
好きな人と一緒にいたい…
それだけだよ…?
……だから、もう二度とそんなこと言わないで」
よしきは哀しい目をしていた。
かほは思ってもみないよしきの言葉に感動し
ひたすら
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
と泣きじゃくりながら、よしきの胸に顔を埋めた。
本当はこの時よしきがものすごく無理をして
ショックを隠してることなど
かほには到底想像できなかった。
ただ“私を愛してくれてるんだ…”
よしきの言葉を素直に受け止め、よしきのホントの心の中には気付かなかった。
精一杯大人ぶっていたことなど・・・・・
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