かんけりっ!



霊安室以降の事は、あまり覚えてない。


葬式があって通夜があって、出棺があって火葬場に行って。


ん。順番さえもよく覚えてない。


あぁでも葬式の時は瀞文の制服の人達が多かった気がする。


そうだ、それに長い黒髪の女性が泣き崩れてた。


…僕も、あれだけ泣けたらバカ姉がいなくなった悲しみがわかるのかな?


茫洋とした、現実感のないふわっとした感覚しかない僕には無理な話だったけど。


棺の中のバカ姉は何も言わないけれど、逆にバカ姉は僕をどう思ってたんだろ?


…聞く術はもうないけれど。


死んでしまったから。


もうここにはいないから。


ようやく悲しい。ってのがわかった気がした。





バカ姉が死んだ。


バカみたいに暑い、夏の事だった。


★ ★ ★



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