未完成。
初めての電話
渚への気持ちに気付いた日から、二週間が経った。
渚とは相変わらず、メールを続けている。

渚とメールが出来ない日は、自分でも驚く程全てにやる気がおきない。
携帯ばかりを気にしていた。

そんな自分に気付き、おかしくなった。
私の世界の中心は渚だ。
渚とのメール一つで気持ちが左右する程、私は渚にハマってしまっていた。


今日は渚とメールが出来ない日。
月、水、金は予定があるらしくて、メールを出来ない事が決まっている。

面白いくらい、テンションが低い。
追い討ちをかけるように、外は雨まで降っている。
嫌いな教科が大量にある中、唯一やる気になれる英語の授業なのに、今日はやる気がない。


「眉間に皺寄ってるよ?」


隣の席に座っていた結香が眉間に指をあて、私の真似をした。
結香に言われて、自分がしていた表情に初めて気付く。


「何かあったの?」
「ううん、何もないよ。ただやる気が出ないだけ。」
「英語の授業、好きじゃなかったっけ?」
「好きだけど…今日は寝てたい気分。」
「珍しいね。」


少し笑って、結香は黒板に顔を向けた。
必死にノートをとっている姿を見ているだけ。
本当は同じ事をしなくちゃいけないんだろうけど、どうしてもやる気にならない。

どうでもよくなった私は、机に伏せて仮眠をとる事にした。
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