みずいろ
カメラマンの仕事より、すぐに選んだのは、モデルの仕事だった。
一回載っただけの雑誌の力、というか写真の力ってすごい、と思いながら、
未練をたっぷり残しながら、俺は紹介された仕事を少しずつこなしていく。
始めは慣れなかったけど、
仕事が一気に増えると比例して、この業界の裏側も見えてくる。
人は話題には飛びつくものだ。
それがスキャンダラスであればあるほど。
実際、俺は勧められるままに、お互いの売名のために、
相手のモデルの女の子と”擬似恋愛”を続けている。
気持ちはなくても、
キスは出来るし、
愛はなくても、
体はつながることが出来る。
どろどろに堕ちて行く俺は、それでも時々感じる頭の痛みを忘れるために、
なくした過去への執着を忘れるために、
そして・・・・なくした想いを忘れるために、
女の子を抱いた。