みずいろ


「久しぶり」



そう小畑さんは笑ってくれた。



その笑顔が優しくて・・・・・すげー優しくて・・・・・



その分、辛いよ。



俺は何も言えずに、ただ小さく頭を下げた。




「小畑さん!今度ぜひ私をモデルにしてください・・・・あの・・・・」



隣で必死に売り込みをかけるみぃを小畑さんはちらりと見やってから、にっこり笑いながらはっきり拒絶をする。



「あぁ・・・・・俺ね、ギラギラした子、苦手。んで、人は撮らないの。基本的に。ごめんね」



さらりとかわす小畑さんに、みぃはくらいついた。



「でも、さっき・・・・女の子を撮ろうとしてたじゃないですか・・・」




はっ、と顔を上げると小畑さんは、やわらかく笑いながら上を向いた。



「あぁ・・・・カホちゃん?あの子は特別。撮りてーんだけど、撮れねーんだよね・・・・先約があって・・・・」



と言って、ちらっ、と俺を見た。



じくっ、と頭が痛む。



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