手のひらに、桜


いつもと違う反応に

戸惑っている私を放って

先輩は足立先輩に「おい」と声をかけた


こっちと違って、

すんごい明るく話していた2人が

一斉に振り向く



そんな足立先輩に


「俺、もう帰るわ」


と伝えると、先輩は手を振って

校舎内に入っていってしまった



足立先輩は、そんな原中先輩に驚きながらも

じゃ、と手を振って去っていってしまう



いきなりのことで

訳が分からない私は

茉莉に「何かあったの?」と言われても

答えることが出来なくて



しばらく3年生の校舎をジッと見つめていた


< 78 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop