手のひらに、桜
いつもと違う反応に
戸惑っている私を放って
先輩は足立先輩に「おい」と声をかけた
こっちと違って、
すんごい明るく話していた2人が
一斉に振り向く
そんな足立先輩に
「俺、もう帰るわ」
と伝えると、先輩は手を振って
校舎内に入っていってしまった
足立先輩は、そんな原中先輩に驚きながらも
じゃ、と手を振って去っていってしまう
いきなりのことで
訳が分からない私は
茉莉に「何かあったの?」と言われても
答えることが出来なくて
しばらく3年生の校舎をジッと見つめていた