世界で君だけ。

越えない一線



キーンコーンカーンコーン…


「じゃあ、これで授業を終わります」



すっっごく眠かった現代文の授業が終わり、私はお弁当を持って立ち上がった。




「奈子〜、毎日どこでお昼食べてるのよぉ」



そんな私を見て、歩美は不満そうに言ってきた。



「ごめんっ!!

急がなくちゃなの!」



歩美の前でパンと手を合わせて謝る。



「まぁ、そんな急用は先輩しかないよねぇ」


そうニヤニヤして言いながら、“行っておいで”とでも言うように私の背中を押した。



「ほんと、ごめんね〜」

そう言いながら、私はまたいつもの“あの場所”へと走る。


.
< 44 / 64 >

この作品をシェア

pagetop