世界で君だけ。
越えない一線
キーンコーンカーンコーン…
「じゃあ、これで授業を終わります」
すっっごく眠かった現代文の授業が終わり、私はお弁当を持って立ち上がった。
「奈子〜、毎日どこでお昼食べてるのよぉ」
そんな私を見て、歩美は不満そうに言ってきた。
「ごめんっ!!
急がなくちゃなの!」
歩美の前でパンと手を合わせて謝る。
「まぁ、そんな急用は先輩しかないよねぇ」
そうニヤニヤして言いながら、“行っておいで”とでも言うように私の背中を押した。
「ほんと、ごめんね〜」
そう言いながら、私はまたいつもの“あの場所”へと走る。
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