世界で君だけ。



誰かに恋をするって、こんなにも辛いことだって思わなかったよ。




第二音楽室の前に着いて、ドアに手をかける前。


「普通に、普通に」



小声で自分にそう言い聞かせる。




そうしないと、先輩への気持ちが溢れちゃうと思うから。




ガラッ




「先輩、こんにちは」




私がそう言うと、窓の外を眺めてたらしい先輩は私の方へ振り返った。



『ん、どうも』



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