夜  話  
「たくさん、お話してくれてありがとう。」


もう、月の時間が終わりを告げていることに気付き、エンに辞去することを告げると彼女はにこり、とそう言い窓辺まで俺を送ってくれた。


「この部屋から出ることを許されない私にとって、素敵なお話はどんな宝石よりも素晴らしいものなの。それを今夜は本当にたくさん聞かせて下さって、心から嬉しいわ。」


瞳を輝かせて、そう告げるエンに思わず俺は、また来る、と、考えるよりも先に口にして言ってしまっていた。
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