夜  話  
高く通った鼻筋の描くラインの美しさは、天の奇跡を体現したような精緻なものでしたし、頬から顎にかけての造形は、芸術の神様が手ずから形作ったとしか思えないぐらいに素晴らしい曲線を描いて続いているのでした。


「………木枯らしの吹き行く先は知らないが、何故吹くのかは知っている。
聞きたいか?」


皎が口を開いてそう言った時、わたしはまだ彼の美麗な顔に見入っているところでした。


「………聞こえているか?」


反応の鈍いわたしの顔を覗き込みながら、皎は訊きます。
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