夜  話  
すると皎は、まだ何かを躊躇うかのようにさまよわせていた視線をあげて、わたしを正面から見据え。


そして。


その黒真珠のような瞳を閉じて大きく呼吸をすると。


覚悟を決めたように再びわたしを見ました。


「ならば、話そうか。
俺の名前の事を。
俺自身の事を。
………そして。
俺達、月の使いの事も。」


何かを吹っ切ったような意志の感じられる強い視線で、わたしを見ながら話す皎の言葉にわたしは頷き。


そして。


皎を誘ってソファへと移動しました。
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