夜  話  
その素敵な贈り物をもらったことを、心の支えにして。


皎はひとり。


永い永い時間を、過ごしてきたのです。


月の使いの仲間が居たとはいえ、孤独という名の闇をその心の中に飼いながら、永い時を過ごさなければならなかった皎を想って、わたしの心はざわりと波立ちました。


ですが、そんな気持ちをなだめるように、わたしの中から小さな存在が自己主張をしています。


まるで、もうそんな事はいいんだ、というように。


そうして、皎という存在をわたしの中に深く受け止めて。


わたしは安堵したような充足感を覚えて、深く吐息をついたのでした。

     梅見月 了
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