夜  話  
「また、俺の食い扶持、減らしてるのかよ。」


サファイヤ色の声で、呆れたように、そう言ったのは。


彼、でした。


「!」


わたしは息をのんで、目を見開き、彼の姿を求めました。


彼は、皎は、あの夜と何も変わる事なく、まるであの日の続きにいるかのように、寸分も変わらず、わたしの目の前に浮かんでいたのでした。
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