夜  話  
「まあ、きれいな赤ちゃんねぇ。」


不意にそう声を掛けられて、わたしは声のした方を振り向きました。


そこには、掃除道具を手にした清掃員の方が立っていて、わたしの腕の中を覗き込んでいます。


「赤ちゃんで、きれいなって言えるような子を初めて見たよ。
かわいいって思える子は山ほどいるけど、この子みたいにきれいな子は、なかなかいないのよねえ。」


感心したように言って、その人はわたしを見ました。


「こりゃあ、きっと、将来はハンサムになるよ?」


真面目に告げるその言葉に、わたしは微笑んで頷きました。
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