幼馴染みが担任になったら【番外編】





「そりゃここがどこだか忘れるぐらいあたしはバカだけど、そんな風に改めて言わなくたっていいじゃんっ!!」



「はっ?違ぇし。俺がバカみたいだって言ってんだよ」





膝に置いた拳をギュッと握り締めて反論したあたしをジロリと睨んで、耀太はそう吐き捨てた。







「……へっ…?」



「ここに来てから俺ばっかりソワソワしてよ、なんかバカじゃん……」



「……耀…太…?」






両腕で顔を隠してしまった耀太を、まじまじと見つめる。






………赤い…






隙間から見えてる部分が染まるように赤くて、あたしはそろそろと指を近づけた。






「……楓さ、俺のこと試してんの?」






後数cmのところで声を掛けられ、ピクリと指の動きが止まる。






「なんでそんなに寛いでいられんの……?」






弱々しい声がして、あたしは思いきって耀太の腕を持ち上げた。






その下から現れたのは、





「……っ…!?」






真っ赤な顔でこっちを睨んでる耀太で。





でもその瞳には、いつもの余裕は見られなくて、不安そうに揺れていて。






「……耀…」



「ごめん、なんかガキくせぇな。俺カッコ悪ぃ……」






あたしが話し掛けようとすると、そのままゴロンと背中を向けられてしまった。







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