幼馴染みが担任になったら【番外編】
途端に、自分の胸がぎゅうっと締め付けられる感覚に陥った。
あたし……ホントにバカじゃん……
自分から誘っておいて、なにやってんだろ……
あの時以来、耀太があたしを気遣って手を出してこなかったことぐらい気づいてたくせにっ……!
それなのに……
それなのに……
「ごめっ…ごめんっ……」
気づいたら、自分の目から大粒の涙が零れていた。
「……なんで楓が泣くんだよ…」
もう一度こちらを向いてくれた耀太の手が、そっとあたしの頬に添えられて、さらに胸が苦しくなる。
「……ごめっ…
こんな子供で……ごめっ……」
耀太の気持ちに気付かない子供でごめんなさい……
「……楓…」
俯いたまま下唇を噛み締めるあたしを、耀太はギュッと抱きしめてくれた。
「俺の方がガキだよ……
一人で余裕なくして、勝手にムカついて……」
「……そんなことっ…」
「……情けない男でごめんな」
あたしを抱きしめる耀太の肩が、小刻みに震えている。
そのことに気づいて、あたしの胸にある想いが広がった。
耀太が愛しい……
もっと触れたい……
あたしの全部を知って欲しい……
「……耀太と……ひとつになりたい……」
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