そして秘密の〜番外編〜
『泣くなよ、弥生ちゃん』
『だって……怖いんだもん』
『大丈夫だよ、僕が守ってあげるから』
『真佐志君が?』
『そう。だから、もう怖くないよ?』
『でも、またあのワンちゃんに会った時、真佐志君が傍に居なかったら……』
『大丈夫。ずっと傍に居てあげるから。ずっと傍に居て、あの犬だけじゃなくて、いろんなものから、弥生ちゃんの事、守ってあげる』
『ずっと?』
『ずっと……大きくなっても』
『大きくなっても?』
『「おじいちゃん」と「おばあちゃん」になっても』
『でも、「おじいちゃん」と「おばあちゃん」は家族なんだよ? だって、パパとママの、お父さんとお母さんなんだから』
『だったら、大きくなったら家族になろうよ? 弥生ちゃんが僕のお嫁さんになれば、ずっと一緒に居て守ってあげられるんだから』
『うん! 弥生、真佐志君のお嫁さんになって、ずっと一緒に居る!』
【真佐志】 <Fin>