王国ファンタジア【戦場の民】

――ザッ


木の葉が揺らぐ音がすると、ひとつの影が他の影やあの巨大な魔物の頭上さえも超える高さに現れていた。

他の影たちの目はしっかりとその影を捉え、その中のひとつが思わず大きな声で言った。

「おまッ…なにを…!!」

現在空中に居る影は、その言葉など端から聞こえていないかの様に無視し、武器である大鎌を思いっきり振りかぶると、魔物の頭を目掛けて降り下ろし、いとも容易く魔物を真っ二つに切り裂いていく。


《ウガ…》


 一瞬の事だったから解らなかっただろう。
巨大な魔物は見事に真っ二つにされると最期に少しだけ鳴き、その肉体とともに闇へと消え去った。


「…またお前か…」


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