シルバーブラッド 眠らぬ夜に
破裂音がした。

バラバラバラっと頭上から何かが降ってきた。

目をあけて見上げると、そこに付けられていた電球が、弾を受けて砕けていた。

撃ちそこなうにしては、あまりに的がズレすぎている。

殺す気はなかったのか?

それにしては、殺気は十分に感じられた。

自分が無事にいることに、安心したのか期待が外れたのか、よく分からないが力が抜け
た。

彼女を見ると、そのシルエットはそこに凍り付いて動かなかった。

まだ、続くのか。

彼女はだらりと腕を下げた。

そして小さくうめくと、ゆっくりと浩之の方へ倒れてきた。


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