追憶 ―箱庭の境界―


残したルリ島のヒント。
あれで十分だった。
「鍵」はリオン様も持っているはずだった。


ここまでは良かった。

しかし、
リザが涙ながらに嘆く声が、私の元にまで届いてしまった。


「リオン様、早くリフィル様を自由にしてあげて下さいませ!!操られていない時のリフィル様は以前のお優しいまま!隠してはいますけれど、精神をどれだけ病んでいらっしゃる事か!」


自由に…?

私に自由を与えるのは、
リオン様、貴方だ。

では…
彼女に自由を与えるのは、誰?


「ご結婚もされず、子も授かれずっ!女性としての幸せも何一つ…!この方の今までの人生、何だったのでしょう!」


リフィル様の、人生…

女性としての幸せ。
私が与えるはずだった物。

でも、全て違ったのだ…。

どこかで、
私たちの歯車は噛み合わなくなっていた。


「…およそ30年!あまりに長い!私が城を出たのが15年前…。会う機会が少なかったとはいえ、城にいた15年。貴女を恨むばかりで、なぜ気付かなかったのかっ!」

本当に申し訳ない、と涙ながらにリオン様が呟く声がした。


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