追憶 ―箱庭の境界―


どうしたら、
殺してくれるだろうか…。

其ればかり考えていた。



翌朝。
彼らが陣取るサイルの城の前に、残った全ての部下を連れて、再び彼らと対峙していた。

部下の魔力を封印し、その彼らを人質に、私はその場に立っていた。


「さすが、リオン様…。お気付きか?貴方がたは実に甘い。昨日の戦いで分かりましたよ?彼らをも殺したくはないようでしたので…、利用させていただきました。」

ははははは…、と私の笑い声が周囲に響いていた。


「彼らが人質か…。」

本当にお優しい。

さぁ…、彼ら国民の命は大事なはずです。


「仲間だろう!?」

大きな剣を構えたキース君が、そう叫んでいた。


「はっ…!?仲間?彼らは私の駒にしか過ぎない。利用出来るものは利用する、目的の為に!!」


仲間なんて、
私には元から居ないのです。


「お前の目的とは!!」

「…いい質問ですね。私も馬鹿じゃない。もうこの国で分が悪い事は分かっています。」


嘘を、並べましょう。

本当の目的を、
私が口にする訳がない。

悪役を貫きましょう、
最期まで。


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